静電気はいやだ!
(静電気の話)
あっ 痛っ~!・・・。ドアノブを掴もうとした時の電撃は嫌なものです。これが静電気のいたずらであることは皆さんもご存じでしょう。今年もいやな静電気の季節がやってきました。静電気は、人体への埃の吸着による健康障害、衣服の脱衣時の激しい火花の発生、電撃などの不快さ、さらには精
密電子部品の製造時の破壊や火花放電による化学プラント事故、などいろいろな問題を引き起こしています。
ポリエステル繊維に代表される一般の合成 繊維は強くて耐久性があり量産もできるので、天然繊維にとって代わる優れた特性を有する繊維として大いに使用されています。しかしその反面、吸湿
性が乏しく電気抵抗も高いため帯電しやすいという「合繊の宿命」と呼ばれる欠点があります。静電気は冬の乾燥した日、特に湿度が40%以下になると
発生しやすくなります。着衣同士や着衣と人体との摩擦,歩行時の床(絨毯)との摩擦などによって人体に静電気が蓄積されることが知られています。
歩行時にスカートやランジェリーが足にまとわりつくことは女性が日常的に経験するところで、不快であるばかりでなく、外観上も好ましくありません。
このような合成繊維による静電気の発生を防止するためには、水分を付与することが最も簡単な対処方法ですが、ポリエチレングリコールなどの界面活性剤を衣服に塗布する加工や導電性繊維の利用の試みがいろいろと行われております。ここでいう導電性繊維は、金属や金属化合物、カーボンブラックなどの導電性物質を含有する繊維で、被覆型、複合型、単一型、均一型などがあります。なお最近では、衣服に付着する花粉が問題になっていますが、これも静電気のせいです。(Y.K)
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